岐阜県高山市に広がる飛驒民俗村 飛驒の里は自然と伝統が織りなす歴史と文化の宝庫。心温まる野外博物館で、飛驒の風土と古き良き暮らしに触れよう。

山岳資料館と文学散歩道

山岳資料館には山国飛驒の歴史資料がいっぱい。
飛驒を愛した文学者の碑をたどり小さな自然旅行。

飛驒山岳会の協力による貴重な登山の歴史。
高山植物や動物達の希少な標本。
そして山岳信仰の物語。

山岳資料館(国登録文化財)に使われている建物は、かつての高山測候所でした。明治36年(1903)に高山市花里町に建設されたもので、当時の高山では珍しい洋館でした。飛驒民俗村唯一の洋風建築です。しかしこの施設の見どころは建物もさることながら、展示されている山岳資料だといえます。それは飛驒と切っても切り離せない、山と人との関わりを解く貴重な資料です。山々が土地の大半を占める飛驒地方で、古くから山は生活の糧を得る場所であり、また信仰の対象でもあったのです。ここでは、日本の中で飛驒がいかなる立地環境にあるかを知ることができるでしょう。

旧高山測候所を使用した山岳資料館。
文学散歩道がはじまる場所でもあり、見学のあとは自然散策を楽しめる。
展示室の一部。
山の動物の標本展示。

山岳登山の歴史と資料が一堂に。

山岳資料館では大正~昭和30年代のスキーや登山道具、そして飛驒地方にすむ動植物の標本などが展示されています。その多くは飛驒山岳会による出品で、当館の展示企画なども飛驒山岳会の人たちが中心になって行っています。平成13年には展示構成のリニューアルを行いました。大正時代に地元飛驒でつくられたピッケルやあざらしの皮製スキーシール(すべり止め)、ザイルやアイゼンなど様々な種類の登山用具を見ることができます。他にも昭和初期から30年代にかけてのスキーがならび、合板や締具の移り変わりを見ることができます。

ザイルの変遷
皮製スキーシール
高山植物写真パネル

松倉山の自然を気軽に満喫。
文学碑があなたを迎えてくれます。

飛驒の里の姉妹施設「民俗村」を構成する「野首家」「郷蔵」、そして「山岳資料館」を見学したあと、飛驒の里までの寄り道に「文学散歩道」を散策してみませんか。松倉山のふもとに沿ってつづく遊歩道は四季折々の風景を見せてくれます。また山の反対側には地元農家の畑が街路樹のあいだから見え、のどかな気分になります。

文学碑は全部で8つ。いずれも飛驒にゆかりの作家達です。
その詳しいプロフィールは飛驒の里通りネット「基礎知識」のページをご覧ください。

早船ちよ
「キューポラのある町」で知られる児童文学作家は古川町生まれ
江間修(なかし)
飛驒の考古学、民俗学にも取り組んだ高山出身の作家
田中澄江
幼年期から高山との交流が深かった
江夏美好
神岡町出身の直木賞候補女流作家
小鳥幸男
高山を拠点に俳句の制作と指導に尽力
瀧井孝作
高山が生んだ俳人の一人で「俳人仲間」で日本文学大賞受賞
井上靖
飛驒の山岳地帯を舞台の「氷壁」など縁が深い
福田夕咲
「飛驒新聞」創刊を始め山百合詩社、飛驒山刀倶楽部/飛驒短歌会などを育てて飛驒の文化に大きな足跡を残した。
文学散歩道
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