歴史と自然が同居した松倉山。
高山商人のルーツがここに。
自然に囲まれた飛驒民俗村。市街に近い飛驒民俗館はすぐ裏の松倉山沿いに遊歩道があり、四季折々の自然を満喫できます。そしてそこから少し登った飛驒の里のある場所は、かつて高山を支配した戦国武将が築城した松倉城のおひざ元でした。
室町時代(一説1577年)に三木自綱(よりつな)は松倉山頂に松倉城を築きました。そのおり、現在の飛驒の里周辺に侍屋敷や市場を築き、城下町としたのです。しかし自綱は、当時天下統一に向けて躍進する豊臣秀吉に抵抗しており、天正13年(1585)秀吉の命令を受けた金森長近に攻め滅ぼされました。松倉城は落城し、城下町も戦災に消えました。しかし市場の商人達は、後の高山城築城とともに長近の命で今の古い町並の場所へと移住させられました。江戸時代に独自の町民文化を作りあげた高山商人達のルーツはここにあったのです。
現在も松倉山の山頂(海抜856.7m)には立派な石垣が残っており、岐阜県指定重要文化財になっています。飛驒の里から遊歩道が整備されていますので、散策されてみてはいかがでしょう。