車田の田植えは昔ながらの姿をとどめています。
車輪の形に稲を植えることから「車田(くるまだ)」と呼ばれています。日本で新潟県佐渡島と高山市松之木町にのみ現存しています。飛驒の里の車田は、松之木町に残るものを再現したものです。 佐渡の車田は渦巻き状に植えて行くのに対して、高山の車田では7本の線を中心から伸ばし、そこに1株3本の苗を5株ずつ植えていきます。図のように7本のラインが、まるで車輪のように見えます。
高山に残る1600年代の文献に、車田の記述がありますが、その起こりははっきりとはしていません。特殊な植え方であることから、神事に関した農作業の方法であると思われています。伊勢神宮にお供えする米を作っていたという説もあります。 飛驒の里で植えられている稲は「たかやまもち」というもち米の種類です。現存する車田の所有者平野さんと、車田保存協会の協力を得て、毎年5月下旬に田植えを行います。